IT企業のベトナム進出・オフショア開発の事業体験をサポートする「VieTry(ベトライ)」。同業だからこそ提供できる「転ばぬ先の知恵」としてのノウハウ。

IT企業のベトナム進出・オフショア開発の事業体験をサポートする「VieTry(ベトライ)」。同業だからこそ提供できる「転ばぬ先の知恵」としてのノウハウ。
フリーセルベトナム 小川悟氏、森本圭氏
自らのベトナム進出時の体験から、IT企業の進出体験サービス「べトライ(VieTry)」を設計
御社の概要を教えていただけますでしょうか。

フリーセルベトナムは、2012年3月に設立した、オフショア・Webサイト制作を主に行う会社です。親会社の株式会社フリーセルは、2001年8月に東京渋谷で創業しました。創業当初より「歯科タウン」という歯科医院のポータルサイトを運営しています。2005年頃より、リスティング広告等を含めたWebマーケティング、中小企業向けのWebコンサルティングを行い、現在に至っています。拠点は東京・大阪・名古屋・福岡・沖縄にあり、沖縄は子会社となりました。海外はここベトナムとシンガポールに展開しています。

ベトナムに進出されたきっかけを教えて下さい。

本社では、ベトナム進出以前の2006年に、ベトナム人技術者の派遣を受け入れたことがありました。弊社は4~5千サイトを管理しておりますが、それらの修正やアップデートなどの作業を、派遣元企業にお願いするようになったのがオフショアの始まりでした。しかし、しばらくすると現場から上手くいかないという声が上がることがあり、我々もベトナムの現場をもっと知ろうということで、本社からのリクエストを持ってベトナムへの出張を繰り返していましたが、当時はまだ進出する考えはありませんでした。

2010年頃に、ベトナムへ進出しようという話が浮上し、その後、「日本とアジアの発展に貢献するマーケティングソリューションカンパニー」という長期経営ビジョンが立てられました。進出の意志をオフショア先の1社に伝えたところ、発注先部門の売却提案を頂きました。そこで一部事業譲渡を受けたのがフリーセルベトナムのスタートです。

フリーセルベトナムスタート時に進出コンサル企業も入ってもらって、譲渡元企業にも様々なサポートをしていただいてとても助かりましたが、やはりそれでも困った部分は有りました。自分だったらこんなサポートが欲しい、というところを考えながら「ベトライ(VieTry)」のサービスを設計していきました。

「視察先だと分からないかもだし、取引先だと聞きにくいし、コンサル会社に聞くほどでもないんですけどね――」という話が実は一番知りたい。
「べトライ」のサービスの概要を教えて下さい。

ベトナム進出またはオフショア開発を予定している日本企業様向けに、現地法人の実際の運営を体験できるサービスとしてご用意しています。海外への進出は様々なリスクが有ります。短期出張で視察をして、現地の企業やスタッフも見て、GDPの成長率など様々な数字も見た上で進出されても、実際には具体的なことがほとんど分かっていない状態でオフショア開発を開始したり、現地法人を設立してしまうことが多くあります。

ベトナム進出またはオフショア開発のよくあるリスクとしては、ベトナム法人の社長に任命したスタッフとのミスコミュニケーションです。進出を決定するのは本社の社長であるケースが多いと思いますが、ベトナム法人で実際に経営や実務をマネジメントする人は別の方を任命します。そのとき、本社の売上が下がったり、円安が進んだり、ベトナムで税務リスクを負ったり等の外部要因によって、少しずつギャップが生まれてくることがあります。そんな時にしっかりとした対応方法が元から用意されていれば良いのですが、進出前から、うまくいかないケースに対し周到に準備しておくという発想にはなかなか至らないものです。結果として社長交代だとか、最悪転職・退職だとなってしまうと、現地スタッフと築いてきたコミュニケーションは振り出しに戻り、本社にとっても、元々海外法人の社長に任命されるぐらいの戦力を失うわけで、グローバル展開やコストダウンのための進出だった筈が、逆に大きな痛手となりかねません。

まして、撤退するとなれば、投資分がムダになるだけでなく、税務調査を含めた事業精算等の撤退コストもかかってきます。

そういう話を聞くことって少なくないですか? ネガティブな話は誰も言いたくないし、うまくいっていない企業や担当者がベトナムに残っていることも少ないので表面化しにくいのです。結果、良い面しか見えていない中で進出することになるというのが一般的な流れと思います。

ただ、進出のリスクばかりを言いましたが、当然どんな事業にもリスクは付き物で、反面IT企業にとってベトナム進出にはチャンスやメリットも多く、条件が合えば進出も選択肢の一つになり得ると考えています。若くて優秀な技術者が多く、人件費のみならず採用コストそのものが、今の日本と比べると格段に安いというのはもとより、進出事業にもよりますが優遇税制を受けられることもあります。そして、今後の市場成長も期待でき、現地や周辺国の情報も収集しやすくなるので、今のうちから海外経営のノウハウを溜めておくことも、多くのIT企業にとって有益に働くかもしれません。

私は、ベトナムはリスクがいっぱいだと言いたいのではありません。進出後にうまくいかないケースのほとんどが「想定外」のことが起こるからですが、原因としてリスクに遭遇したというよりは、事前の現地に関する情報収集不足、事業計画やリスクマネジメントのシミュレーション不足等が考えられます。ところが、そもそもFeasibility Studyの手段が限られている中で、短期の視察出張や数カ月のオフショア発注経験だけでは見えてこないというのも事実でしょう。



2014/11/11 13:19:21、によって

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